帰り道、電車の中でも歩いてても眠りこけてて、家に帰って寝たことも記憶があまりなかった。でも、これだけは覚えてる。キョコからメールが来ていた事を・・・ 朝、起きて確認したらちゃんと来ていた。「お疲れ様でした☆」一言だったが凄く暖かいなって思った。今日も頑張れるぞ。 「って今日何も予定ないし!」 ・・・健に突っ込まれると何かムカつくんだが。 「俺の回想に突っ込まないでくれ・・・」 「ていうか、俺の前で突っ込まれるようなことしてるからだろ」 正論だがムカつくんですけど。確かに俺も悪いけどね。健が突っ込まないわけないんだから。 「うるさいな・・・。今からあるんだよ!」 「ほーーーーーぅ?」 この瞳だ。「疑ってます」って言わんばかりのこの瞳。分かってるよってことだろ?見栄張ってること。こうやって夏休みでも毎日のようにつるんでるんだから、高校時代から、だからお見通しだよな。 「お前んち来たの久しぶりだから、なんか新鮮だな」 謎だ。 「ゲームでもすっか?久しぶりに格ゲーで燃えようぜ」 「ああ、いいよ。負けても知らないからな」 「おお?俺に勝てるとでも?」 実際、五分五分なんだが。 「やっぱりな」 健が惨敗である。そりゃ、俺は暇な時間は一人でやったり、近所の後輩とやったりしていたのもあり、健はずっとやってなかったのもあり、俺が余裕で勝った。 「お前強くなったな」 お前が弱くなったんだよ、明らかに。 「さて、次、何すっかな」 「ブロックゲームでもする?何個かあるけど」 「あーそれ駄目だ。お前強すぎる。俺が勝てるの・・・」 俺の家のなんだから、競るのは分かるけど、勝てるのなんてまずなさそうなもんだが。 「てかよー、男2人が寄って集ってゲームしかすることないってむなしくないか?」 「ウチに来るって言ったのお前だろ」 「金ないからよー」 「昨日、何に金使ったっけ?」 分かってて意地悪に聞いてやる。 「あーうっせえなー。どうせ、スロットで3万負けましたよー」 馬鹿だよな。だから、負けが混んできたら止めろって言ってるのに。学生で3万マイナスってのがどれだけ痛いか、よく分かるだろ。 「まあ、金を使わない楽しみ方ってのもあるし、ちょっと行こうぜ」 多分、俺に飯でもおごらせる気なんだろう。 飯をおごった後(ハンバーガーのセットだったが)、ぶらぶらと歩くことにした。年下にも年上にもどっちも興味ありの健、今日は・・・ 「いいねぇ、制服は!」 お目当ては女子高生みたいだ。分かってたけどな・・・。前はOLのお姉さんに声かけてた。不思議と話が出来てるから驚きだ。 「今日はどんな子が引っかかるかなー」 何を期待してんだか・・・。年下引っ掛けて、飯代を俺に集って・・・。OLさんにはおごらせてたか。俺もおごってもらったから文句は言えないが・・・。 「おっ!カワイイ子発見!2人組だから2対2〜〜〜。来たよ来たよー!」 「はぁ、分かったから、声かけるんならかけて来い」 「出動!」 止めても聞くわけがない。 「ねぇねぇ、これからどこ行くの?」 健がナンパしてる最中は、遠くで他人の振りをして待つ。なんだかんだ言って、同類に見られたくないから。 「やった成功だ!」 良かったな健・・・・・え?! 「きょ、キョコ?!」 「せんせー?!」 そこにいたのは紛れもなく、キョコと以前、キョコを彼氏との待ち合わせに使っていた友達だった。 「せんせー?ってことは・・・、この子が例の子?」 健は、俺とキョコをキョトンと交互に見つめた・・・ |